北ア常念山脈 常念岳(2857m) 2016年9月11日  カウント:画像読み出し不能

所要時間

3:55 三股駐車場−−4:10 林道終点−−6:00 2170m肩−−7:05 避難小屋−−7:07 前常念岳−−7:44 常念岳 11:51−−12:13 前常念岳−−12:49 2170m肩−−13:40 沢(水浴び) 13:45−−13:47 林道終点−−13:55 三股駐車場

場所長野県安曇野市/松本市
年月日2016年9月11日 日帰り
天候
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場三股駐車場を使用
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望大展望
GPSトラックログ
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コメント三股駐車場から往復。一の沢コースは何度も歩いているがこちらは初めて。予想よりも道は緩やかだが尾根に乗った後は水無し。森林限界の尾根歩きを長く楽しみたいのならこちらのコースの方がいい。一の沢コースでは一度も見たことが無かった雷鳥を往復とも見ることができた




三股駐車場を出発 林道終点
三股から常念岳へ 蝶ヶ岳登山道本沢増水時の迂回路分岐(標高1500m)
古い標識が点在(標高1880m) 日の出を迎えたらしい(標高1970m)
標高2000m 標高2170m肩で尾根に乗る
標高2210m 標高2360m。間もなく森林限界
森林限界から見た南アルプス
森林限界から見た蝶ヶ岳 標高2370m。これより上部は花崗岩の尾根
蝶ヶ岳ヒュッテ 標高2420m
避難小屋。石室+屋根らしい ドアは適当な板だった
前常念岳。1等三角点だった 常念乗越を見下ろす
常念岳までなだらかな尾根が続く
常念小屋巻道分岐。今は廃道化している 雷鳥に遭遇。こちらは親
こちらは子 クロマメノキ。ブルーベリーの仲間で美味い。たくさんあった
最後の登りは尾根上ではなく右に巻いて常念小屋からの登山道に接続する
登山道合流点 山頂に向かう。一気に人が増える
常念岳山頂 山頂の祠と展望盤
常念岳から見た南〜西〜北の展望(クリックで拡大)
常念岳から見た穂高〜槍ヶ岳(クリックで拡大)
常念岳から見た東側の展望」(クリックで拡大)
常念岳から見た北側の展望(クリックで拡大)
常念岳から見た立山〜後立山(クリックで拡大)
常念岳から見た後立山(クリックで拡大)
常念岳から見た南アルプス(クリックで拡大)
常念岳から見た南アルプス深南部
常念岳から見た八ヶ岳
常念岳から見た木曾御嶽、乗鞍岳
常念岳から見た立山、劒岳
常念岳から見た北信の山
常念岳から見た加賀白山。大キレットの向こう側に見える
常念岳から見た奥日光。かろうじて見えた。女峰山までの直線距離は約170kmある。南ア深南部より遠い
下山開始。安曇野側はガスが出てきた 日差しが無い方が歩くには涼しくていい
前常念岳三角点 雲の下に出た
帰りも雷鳥に遭遇 標高2420m付近
林道終点 三股駐車場到着


 常念岳には何度も登っているがほとんどが一の沢経由だ。これは最後まで水が得られるので水を担ぐ必要がないことが大きく、幕営装備なら必須事項であろう。また、一の沢コースだとテント場の常念乗越に直接出られることも幕営にとっては便利だ。そんなわけで三股から常念岳に登ることはほとんどなかったが、日帰りだったら一の沢と大差はないだろうと考えて、今回は三股から往復してみることにした。

 三股駐車場は蝶ヶ岳登山客も使うので利用者は多い。ゲート前の駐車場は比較的早い時刻に満杯になる。金曜夜10:30ちょい前に到着すると既に9割がたは埋まっていて先週の蝶ヶ岳よりも多い。現在の天気予報では金曜は好天で日曜は雨となっているので、金曜から入る登山者が多いのだろうか。今は満天の星空。明日朝は稜線から日の出が見られるだろうが、私のような日帰り登山者はその時刻に稜線にいることはできない。

 翌朝、4時前に出発。今週は深夜残業の連続で毎日睡眠不足だったので起きられるか心配だったが4時間睡眠で目が覚めた。それほど眠気は感じないので体調は大丈夫らしい。飯を食ってまだ真っ暗な中を出発。樹林帯を登っていくのでライトが不要な明るさになるのは5時を過ぎるだろう。気温は10℃で先週より格段に涼しいため、出だしは長袖シャツを着る。

 林道歩きで軽装の若者3人組を追い越す。彼らは私の少し先を歩いていて徐々に距離が離れていたのだが、メンバーの一人が靴紐を調整するためしゃがみこんだところで私が先行する。おそらく靴のどこかが足に当たっていたのだろう。彼らも私と同じく常念岳方向へと向かったが、本格的な登りにかかると私との距離は徐々に開いていき、そのうちにライトの光が見えなくなってしまった。

 このコースの尾根は急だが登山道は尾根上を一直線に登るわけではなく主に西側斜面をジグザグに登っていくので割と緩やかだ。登りはこれでもいいが下りは一直線に下れた方が時間短縮できるのだが。やがて明るくなってきて5時10分くらいでどうにかライト無しで歩ける明るさに達する。やがて斜面を覆うシラビソの幹に朝日が当たるのが見え、日の出を迎えたことを知る。残念ながら太陽がある方向は斜面の裏側だ。気温は出だしと同じ10℃のままで涼しくてほとんど汗をかかず快適だ。そろそろ秋の気配かな。

 シラビソと笹の斜面を登りきると2170m肩到着。ここから上は尾根歩きに変わる。しばらくは水平移動が続くがぬかるんだ場所が数個所あり、端の方や枝の上を選んで歩く。小鞍部を越えて登りにかかると植生が変化、それまでの深いシラビソが徐々に背の高さを低くしていく。森林限界が近づきつつある証拠だ。そして梯子を登って2370m付近で森林限界を突破し視界が一気に開ける。この先は甲斐駒のように白い花崗岩の巨岩が林立する尾根を登っていく。上空は真っ青な空。南を見ると遠くに南アルプスがくっきりと見えている。今日の空気の透明度は上々らしい。私が山頂に到着する時までこの展望が持ってくれることを願うばかりだ。

 花崗岩の尾根を登りきると前常念の避難小屋に到着。小屋というより半分石室で、木の板でできた扉は立て付けが悪く、お世辞にも立派な小屋とは言えない。大きさから言って数人のキャパしかないだろうし、本当に緊急時の避難に使う程度だろう。ここまで来れば常念小屋はそれほど遠くないし。

 まだ花崗岩が続く尾根を僅かに登るとでかい三角点が登場、1等に違いない。ここが前常念岳だが山頂標識は皆無だった。どうも一般的にはここは山頂として認識されていないようだ。まあ、それも仕方ない地形で、明瞭なピークがあるわけでもないし、ただの通過点だろう。ここまで来れば常念岳山頂は近く、山頂に立つ人の姿も見える。

 しばし水平移動の尾根歩き。花崗岩で覆われて足跡が残らないのでルートが分かりにくいが、痩せ尾根ではないので尾根上ならどこを歩いても問題ない。

 以前は常念小屋へ直接下る巻道があったが、今はその分岐点には通行禁止の看板が立っていた。途中で登山道が崩れたらしい。通行不能なほどの壊れ方なのか知らないが、ほとんど使われなくなったのは間違いないようだ。

 途中、雷鳥に遭遇。この好天では出てこないだろうと思っていたがラッキーだった。子供は1羽だけしか見えなかった。まだ冬毛には変わっていないが、そろそろ徐々に白くなってくるかな。

 登山道沿いにはクロマメの木があちこちに見られ、熟した実をいくつかいただく。甘さはそれほど強くはないがなかなかの味。雷鳥もこれを食べるのだろうか。

 山頂が徐々に近づき本格的な登りにかかろうとすると登山道は尾根を外れて右に巻いて常念小屋からの登山道に合流した。何度も歩いた道なのにここで三股ルートが合流するのに気付かなかった。ここまで来れば山頂は目と鼻の先で、山頂へと登っている登山者の後ろへ続く。

 岩尾根を登りきれば常念岳山頂。今年2回目だ。時刻は8時近いが空気の透明度は良好で遠くまではっきり見える。いつ登ってもそうなのだが東の空は雲海に覆われて浅間山〜志賀高原の高い山だけが顔を出している。残念ながら奥日光は見えなかったが、そのうちにうっすらと見ることができた。今回は南側の展望が良好で、南ア深南部の中の尾根山から黒沢山まで見ることができた。先週の南アの稜線は雲がかかっていたが今日はすっきり晴れている。八ヶ岳も同様。穂高から槍の稜線も雲一つかかっていない。風も弱く絶好の登山日よりとなった。お盆の頃のように直射日光の下では暑すぎて昼寝できないなんてことはなく、平らな岩の上に寝転がって日の光を受けると心地いいくらいの気温だった。

 常念岳山頂は入れ替わり立ち代り登山者がやってきて賑わいが途切れることはなかった。ここでこの時刻だと常念小屋、蝶ヶ岳ヒュッテ、大天荘、大天井ヒュッテ辺りを出発した登山者がやってくる可能性の範囲。これに日帰り登山者が加わる。北ア奥地の山だと登山者がまとまってやってくる時刻は限定されているが、常念はそうでもないようだ。

 今回は三股の林道工事で通行可能な時間帯が限られているため山頂で長時間時間をつぶした。林道入口付近で工事中で、通行可能なのは17:00〜8:00、10:00〜10:30、12:00〜12:30、15:00〜15:30だ。狙うは15:00からの開通時刻としたので、お昼くらいに下山を開始すれば大丈夫だろう。昼寝の後は千葉からやってきたという男性と長話。千葉からだと北アは遠いので頻繁に来られるところではないだろう。今日は一の沢から日帰りとのことで、明日もどこか日帰りで登ると言うから元気だ。

 まだまだ賑わう山頂を正午前に下山開始。安曇野側からガスが上がってくるようになったが頭上は青空でまだ天候が崩れる気配はない。前常念への尾根に乗ると雲の中に入って日差しが遮られて涼しくなる。この時間はまだ登ってくる登山者の姿が多いが、休憩中の姿の方が多かったと思う。

 前常念岳、避難小屋を通過すれば本格的な下りが始まり、いつの間にか雲の層の下に出て視界が開ける。ここまで下ると登りですれ違う人はいなくなり、下りの人しか見かけなくなった。そんな中で登山道で立ち止まる人の姿を発見。森林限界でこのパターンは雷鳥出現の可能性が大だ。話を聞くと案の定雷鳥で、親は目の前数mの位置で固まったように動かず、子供はハイマツの藪の中に4羽いるそうだ。時々ハイマツの枝が揺れる。今日は2回も雷鳥に出会えるとはラッキーだ。常念岳を日帰りで登るときは三股コースの方がいいかもしれない。

 快速で岩場を下るとなぜかトレラン姿のハイカーまで追い越してしまった(笑)。足場の悪い場所は登山者の方が慣れているのかもしれない。森林限界を切って樹林帯に突入すると展望とはおさらば。でも日影に入るので涼しい! 麦藁帽子は頭の上からザックの背面へと移動した。

 樹林帯を下っている最中に虫に左足ふくらはぎを刺された。刺された瞬間は強烈な痛みでアブだと思ったのだが、アブは刺す前に人間の周囲を飛び回って隙を伺うのだが、今回の虫は一直線に足に向かって飛んできて「一撃離脱」攻撃だった。飛ぶ速さも早く、その姿ははっきりと見ることはできなかったが大きさはアブと同じ程度。でも刺された後もしばらく強烈な痛みが続いた。アブならこんなことはない。そして翌日はふくらはぎ全体が腫れ上がって熱を持ち痒みを伴うようになった。あまりに酷いので月曜日に皮膚科を受診、飲み薬(抗アレルギー薬)と塗り薬(ステロイド系でも強いやつ)が処方された。どんな虫に刺されたのか聞かれなかったので、どうやら虫刺されの対処の基本は同じらしい(対症療法)。ちなみにその効果は大きく、痒みは残るものの翌朝には患部の熱が引いていた。金曜日にほぼ完治して痒みが引いた。

 樹林帯をジグザグに下り、三股分岐の手前で沢が現れるので水浴び。かいた汗を洗い流すと爽快で涼しさが戻ってくる。今回は真夏より各段に汗をかかなかったが、それでも最後の水浴びは欠かせない。なお、今回の水の消費量は300cc程度だった。

 三股で蝶ヶ岳の登山道に合流すると登山者が増える。蝶ヶ岳登山はここがメインだから当然だ。残るは短い林道歩きで駐車場到着。空きがポツリポツリと見られた。駐車場到着は午後2時前で林道通行可能な時間より1時間ほど前だったのでのんびり着替えて車内で昼寝。10分前に出発したら駐車場の出口の工事案内看板には「本日規制解除」との文字が・・・。昨晩は無かったので、たぶん工事現場は土曜半ドンで午後は通行可能になったのだろうと想像した。これならもっと早く下りてきても良かったかな。

 昼寝したので運転中の眠気は強くなく一般道で帰った。

 

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